PENTAXで切り取る世界遺産 ─ 五箇山集落とその周辺(富山県南砺市)
世界遺産に暮らす人の営みと山と海
合掌造りの世界遺産と言えば岐阜県の白川郷。ですが、岐阜県側の白川郷と富山県側の平(たいら)村相倉地区と上平(かみたいら)村菅沼地区の五箇山で構成された一体の集落群が世界遺産であるということです。
今回、富山県南砺市とペンタファンのコラボレーションとして、五箇山をはじめとして南砺市の魅力的なロケーションをタケル・すしぱく・瀬尾拓慶の3人で撮影しました。図らずも撮影の日程に台風が重なったことで荒れたり晴れたりが劇的に変わる天候で、分かりやすい観光地然とした風景写真というよりも、五箇山(そして南砺市の各所)に息づく暮らしぶりを垣間見られることとなりました。
山間部から日本海を望む平野部まで、私たち3人が切り取った南砺市の風景をお楽しみください。そしてまた、この記事が誰かの旅のきっかけとなれば幸いです。
相倉・菅沼(五箇山合掌造り集落)
多くの大型の観光バスが入れるほどに整備された白川郷にくらべ、相倉・菅沼など富山県側の五箇山の村々はどれもとても小さな集落です。そのように表現すると非常に山深い奥地にあるように感じてしまいますが、交通のアクセスが悪いわけではなく、五箇山ICから菅沼集落はわずか5分ほど。白川郷からでも車で約30分とアクセス性はむしろ良好です。
相倉集落
相倉は庄川から少しのぼった場所に広がる、四方を山々に囲まれた小さな集落。実際に訪れてみるとパンフレットなどでイメージするそれなりに観光地化された保全地区とは違い、まさに生きた「暮らし」の風景が広がっていました。
もちろん世界遺産として整備の手は入っていますが、合掌造りの家々の前には田んぼや畑が広がり、小学校へ通う子ども達や郵便配達のバイクが行き交う「日常」を目にすることができます。
菅沼集落
東海北陸自動車道の五箇山I.C.から車でわずかに数分、庄川が蛇行したわずかな段丘に広がる集落。国道沿いの駐車場からエレベーターに乗り集落へ降りてみると、そこには先ほどの相倉以上に日常の空気が流れていました。
家があり、田畑があり、生活の道具や子ども達のおもちゃが寄せられた様子に、長くこの営みが繰り返されてきたことを感じずにはいられません。
私たちが訪れたのは一年のうち、わずかに夏の数日間ですが、山々にこだまするひぐらしの鳴き声や、ころころと変化する山の天気、夕立が晴れ陽が差し込んできた瞬間の空気。そして長い時にわたり暮らしが営まれてきた様子が伝わるでしょうか。
庄川峡
岐阜県高山市を水源として白川郷を通り、南砺市を経て富山湾へ注ぐ一級河川。流域の南砺市にあたるエリアでは深いV字谷を作りながらも、穏やかな流れが水鏡を見せることもあり、霧が幻想的な風景を演出する姿を見られます。早朝や雨上がりをあえて選んで眺めたくなる景色です。
Google Maps : 利賀大橋
桂湖・境川ダム
境川ダム(重量式コンクリートダム)により生まれたダム湖です。堰堤上には富山県と岐阜県の境を表すプレートが見られます。湖畔にはオートキャンプ場があり、カヌーなどのアクティビティを楽しむことができます。湖底にはかつてこの地にあった旧桂集落(ダム建設より以前に住民の離村により廃村)が沈んでいるそうです。
Google Maps : 桂湖
大谷ハンググライダー離陸台
閑乗寺公園から車で15分ほど林道を上った先にある高台です。ハングライダーの離陸台だけあり、北西方向へ広く展望の開けた場所で水鏡で有名な散居村を一望できるスポットです。夏には能登半島の向こうへ沈む夕陽がドラマチックな夕景を見せてくれます。
Google Maps : 大谷ハングライダー離陸台
※閑乗寺公園からの林道は落石も多く道幅の細い箇所も多いので走行にはご注意ください。
蔵回廊
蔵回廊はユネスコ無形文化遺産に登録されている城端曳山祭を伝える文化施設「城端曳山会館」に直結した板張りの趣きある建物。付近の城端別院善徳寺や桂湯も合わせて風情ある町並みを楽しむことができる地区です。
最後に
本記事に掲載した写真は撮って出し作例として、記事末尾にズーム可能なスライドを用意しています。ぜひ大きなサイズでお楽しみください。
また、ぱくたそにてPENTAXのカメラと並行して撮影した他メーカー製カメラの写真もフリー素材として公開予定ですのであわせてお楽しみください。(ぱくたその南砺市コラボレーションページへのリンクは後日掲載いたします。)