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PENTAXカメラの肝!カスタムイメージの「キー」とは?

公開日:2020-09-29 ライター:タケル カテゴリ:ここがスゴいよPENTAX

キーってなんなの?

PENTAXカメラの画作り機能「カスタムイメージ」。さまざまなパラメーターが用意されとても柔軟な画作りを楽しむことができますが、その中でも特に重要になるパラメーターが「キー」です。

簡単にいえば写真の明るさを調整するパラメーターですが、他社のデジタルカメラではあまり耳慣れないのでどういうものなのかイメージしにくいかもしれません。

PENTAXの公式サイトでは以下のような説明がされています。

中間部の明るさを中心に、写真の明るさを調整します

画像の最も明るい部分、最も暗い部分の明るさには大きく影響しないのが特徴です。 マイナスにするとローキー調に、プラスにするとハイキー調の仕上がりとなります。 応用することで淡い光を浮かび上がらせたり、強い光を抑えて表現することが可能です。 カスタムイメージとは

なるほど。露出で決めた範囲の中で明るさを変化させるということのようで、フォトショップなどのトーンカーブで中央部を上下するのに近いイメージでしょうか。

ヒストグラム変化と合わせて確認してみる

キー変化と増減感の比較

言葉だけではイメージしにくいので実際に同一の画像でキーを変化させたものをヒストグラムと合わせて並べてみました。上段はキーを-4/0/+4と変化させてカメラ内RAW現像でJPGに書き出したもので、併記しているヒストグラムはAdobe Lightroomで確認した物です。また、露出のシフトとの違いも確認するため下段にはカメラ内RAW現像で1段増減感したものも合わせて掲載しています。

今回の例ではキー変化の最大値と1段の増減感が見かけ上はおおよそ同じぐらいの明るさの変化となっていますが、ヒストグラムを見ると違いがあることが分かります。

キーの変化ではヒストグラムの両端部はあまり大きく動かず、公式の説明通り中央部が変化していく様子が見てとれます。一方、増減感したものはヒストグラムの両端部も動いています。(特に減感したもののハイライト部)

これらのことから露出設定と合わせてキーの値を調整することで、PCに頼らずとも柔軟に階調のコントロールができることがわかります

トーンカーブとは違うの?

トーンカーブでの変化

先ほど、トーンカーブで中央部を動かすのに近いイメージと言いましたが、実際にキーを0に設定した画像をフォトショップのトーンカーブで中央を動かして変化を見てみました。

予想していたようにトーンカーブの調整で起こるヒストグラムの変化はキーの調整と似た結果ですが、ハイエストライトやディープシャドー領域で差があるようです。キー調整ではヒストグラム両端部の微妙なトーンを残しやすい動きになっている一方、単純な調整ではトーンカーブでは詰まり気味になります。

もっとも、トーンカーブの制御ポイントを増やしてより繊細にコントロールすれば同じような階調を得ることができますが、そのような複雑な操作をスライダーの調整のみで現場で行えるというのは非常に強力な武器と言えるでしょう。

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この記事を書いたライター

タケル

ペンタファンの運営メンバー(編集長)です。作例写真の撮影から記事の執筆、運用を行なっています。山に登ったり燻製を作ったりネコを撫でたりするブログを書きながら(SpaceFlier)急に真顔で写真を語り(Imaging World)ます。