【Photo Sketching】旅は願望、ほのかで涼を
涼を求めて渓谷へ
8月の末、ジリジリと照りつける日差しから逃げるように昇仙峡へやってきた。山の中の渓谷にくれば少しは涼しいだろうと思ったのに、残念ながら灼けるような日差しは変わらない。
日陰へ入れば多少はマシなものの清涼感なんて文字はどこにもなく、涼しげなのは足下から響く水音だけだ。薄々そんなことになる予感はあってK-1 IIにはD FA★ 50mm F1.4一本だけと割切った。割切ったついでに忠実色なんてものも気にしないことにした。
せっかく絵筆のように自在に色を作れるカメラがあるのだ。せめて写真だけでも涼やかな願望を叶えよう。日帰りの小旅行といったって、せっかくの旅。写真も旅も楽しんでこそだ。
願望をかたちに─涼をつくる
そうと決まればやってみるだけだ。ファインダーを覗いて期待していた涼しげな渓流を思い浮かべながら色のアタリをつけてシャッターを切る。
カスタムイメージのほのかのやわらかな雰囲気をベースにしてリラックスした旅の空気を出してみよう。陰にはグリーンを入れて木陰っぽさを加えてみようと調色にグリーンを選んでみる。色温度は青味をつけて4400K、ジリジリとした日差しにはよそを向いておいてもらおう。
マゼンタやアンバーを加えて微調整して、涼しげな夏がやってきた。よしよし、今日はこれでいこう。わざわざ写真の中でまで暑い思いなんてしなくていいんだ。
結局は主観だ
旅先での写真なんて結局は主観だ。色を願望で作ったなら、あとは目にとまったものを気ままに切り取れば思い出だってゴキゲンだ。
台形の岩ってエボシ石(岩)って呼ばれがちだね、日本中にいくつあるんだろう(笑)